「週1回の英会話の効果」「週1回の英会話に意味はあるのか」・・・

よく聞きます!

週1回英会話に通うことが、無意味とは思いません。

週1回だとしても、「週1回定期的に一定時間」英語に触れるので、

それだけの意味はあって、小さな子どもにとっては、日常生活に組み込んでルーティン化してしまうと思考のパターンにも影響があるからです。

しかしそれは「英語力」というところとは少し別で、「週1回」例えば1時間、または一日中、英語のみの環境に身を置いていても、いわゆる「ペラペラ」にはならないです。

***

言語習得についての研究データはさまざまありますが、有名な調査結果では、英語ネイティブ話者からみて外国語習得の難易度は4つに分けられ、日本語は、韓国語や中国語アラビア語と共に、最難関であるカテゴリー4です。米国国務省のデータ*によると、カテゴリー4の言語を習得するには2,200時間を要するとなっています。

これも個人差や環境差、どのレベルを目標とするか等、さまざまな要素に影響されます。

しかし例えば日本語ネイティブ話者が同じように、日本語とは両極端(言語間距離が最大)にある英語を習得しようと思うと、同様の時間がかかると予想されます。

2,200時間というと、毎日2時間(土日を含めて)欠かさず3年間ということになります。

しかもclass timeなので、外国語のクラスという、意味を伴った言語教育がなされる環境においてという前提です。

それでもネイティブレベルではなくて、「業務で使用できるレベル」という意味の「習得」です。日本に住む子どもたちにとって、英語学習において何を目指せばいいかと問われたとき、私はここ、そしてその上「Functional bilingual」であると答えます。

決して、ネイティブを目指すのではない(ネイティブを目指すということは、文化やアイデンティティも変わります)。日本語という母語を基本としつつ、日本育ちのアイデンティティを持ちつつ、必要に応じてあらゆる日常の環境下で機能的に英語を使いこなし、世界中どこにいても仕事ができる・言語バリアがない、というような状態**です。

***

週1回の英会話、そして学校での週2回等の英語の授業「のみ」では、2,200時間になるまでに、14年かかる計算です。しかも14年間そのペースで続けて、果たして言語「習得」できるでしょうか?人間は忘れる生き物なのに、効率よいでしょうか? 年齢が上がるごとに試験ベースで勉強を続けて、コミュニカティブな会話ができるでしょうか。

幼少期はほんの数年のことで、気づけば過ぎてしまいますが、

耳がよく、口の筋肉も柔らかく、思考も柔軟で、間違いが怖くない、そんな「言語学習において無敵の時期」に、できるだけたくさん英語に触れて楽しい記憶を作っていってほしいなと思います。

***

レモネードスクールでは、英語習得も大事ですが、もっと視野を広げた、言語が拓く可能性の広がりに目を向けています。英語を学ぶ中で、新たな文化に触れたり、未知の分野に興味を持ったり、英語ができることで自信を持ち、自己表現能力が高まるということもあるでしょう。

もう少し大きくなって、この分野に進みたい!となった時、自分の言葉で英語で発表できたり、論文が書けたら、一気に世界が広がります。

地球全体の人口80億人のうち、日本語話者は1.3億人程度、といわれます。日本語だけにとらわれない、言語が拓く可能性の広がりは、自分自身の成長や社会貢献にも繋がると考えられます。

その時に必要なエンジンを、今育てて積んであげたいと願っています。

***

話は戻って、タイトルのリーディング教材導入です。

レモネードに通ってくれている子どもたちは、工作が好きだったり、実験が好きだったり、ゲームが好き・プログラミングが楽しい・ロボットに興味がある、クラスの色々な「英語漬け」プロジェクトに目を輝かせてくれています!

そしてきっと、その目の輝きは、英語の理解力が上がると、さらに増すことでしょう!

クラスでは思いっきりプロジェクトを楽しんで、

おうちではリーディング教材のストーリーを楽しみながら語彙やイディオムをよく聞いて(このとき日本語に訳さず多読を)、先生に音声録音を送ってスターをもらって、ワークブックをしたらシールをもらって、、

先生をもっと巻き込んでたくさん背中を押してもらって、
英語を日常に組み込んで、続けていきましょう!

*U.S. Department of State (n.d.). FSI’s Experience with Language Learning. Foreign Language Training FOREIGN SERVICE INSTITUTE. https://www.state.gov/foreign-language-training

**Baker, C. (1993) Foundations of Bilingual Education and Bilingualism. Clevedon, Phil.: Multilingual Matters. p.13.

***

レモネードスクールでは、おうちでの英語時間確保のために、このたびラズキッズとカーンアカデミーキッズを導入しました。

どちらも、講師が一人ひとりの進捗をみながら、場合に応じてサポートします。ラズキッズは電子図書教材で、リーディングの難易度が29レベルに分かれており、全レベルにアクセス可能の設定をしていますので、きょうだいやファミリーで取り組むこともできます。大人の方にもおすすめです(追加アカウントをご希望の場合はお声かけください)。

ラズキッズは年間使用料が発生し、カーンは使用料無料です。レモネードでは、アカウント発行だけでなく、使用が軌道にのるようサポートします。親御さんにとって、宿題や課題をするよう声を掛け続けるのは一苦労です。講師という第三者をうまく利用して言語学習を日常に組み込んで頂ければ幸いです。

長い目で見て、リーディング力がつくと言語能力の維持・向上にとても役立ちますし、

身近な利点としては、物語や自然科学、歴史や政治など幅広いトピックに触れられること、普段出会わない語彙や言い回しに出会えること、記事や英検の長文ボリュームにひるまなくなること、などが挙げられます。

***